
「声出せ!」って言われるけど。とりあえずやかましくしているだけになっている・・・。もっとチームのためになる声がけってないの?
逆にやったらダメな声かけなんかもあったりして・・・。
こんな疑問にお答えします。
絶対にやってはいけないベンチからの声かけとは?

皆さんはベンチで「もっと声出せ!」と言われたことがありますか?
野球をやっていれば誰でも一度は言われたことのあるセリフではないでしょうか?
でも、具体的にどんな声を出せばいいのか、ということは、たいていそれとセットでは言われません。
その具体的な部分を今回は一つ提案していきます。
声でチームに貢献できればそれは立派な戦力です。
試合中にベンチの声や、指導者の言葉に力をもらった感覚を経験した人も多いのではないでしょうか。
しかし、逆に声で無意識に味方の邪魔をしていることがあるんです。今回はそんなBad声かけを理解し、これからは一掃して味方のプレー、自分のプレーともに無駄なストレスなく向上を目指してください♪
それでは本題。
まず、ベンチからの声でよくあるのは
・状況確認の声
・相手にプレッシャーをかける声
・指示の声
などですね。これらも有益なものに混じってこんなものも無意識に言っていませんか?
~するなよ!~いらんぞ!アカンぞ!
いかがでしょう?
この声が百害あって一利なしなのです。やっている人は今すぐやめてください。ゴミ箱にポイしてください。
そして、その代わりにやってほしい声かけがこちら↓
やりたいことを明確にし、そこに集中させる声(~しよう、~作ろう など)
です。
「いやそんなの当たり前でしょ!」「やってるわ!」という声が聞こえてきそうですが、ここからです。
もちろんこんな声かけは誰でもやっているでしょう。
でも、具体的にどんな原理でこの言葉たちが影響を及ぼすのか、理解すればそのいつもの声も違う気持ちで発することができます。
味方のプレーだけでなく自分のプレーに応用することもできます。
今回僕がしたい提案は、この、~するなよの声はこれから使わないようにすること、代わりにやりたいことを明確にする声を使うようにしよう、というものです。
声かけといいつつ、言葉選びに近い内容ですかね?
では、解説に入ります。
ベンチからの毒入り声かけのタネ~逆説的思考侵入効果~

この毒入り「~するな!」の影響を説明するときに使いたい心理効果に「逆説的思考侵入効果」があります。(9連続漢字!!)
簡単にいうと「~しないようにしよう、~するな、などのnotの部分は脳に認知されずにその前のやりたくない部分(~のところ)が強調された状態で認識されること」
いや、わかりにくいわ!と自分で思ってしまったので実際にあなたに体験してもらいます。
それでは、下の文章をしっかり読んでみてください。↓
シロクマを思い浮かべないでください
いかがですか?文章だとうまくいっていないかもしれませんが、シロクマを思い浮かべてしまった人、まんまとはまっています。
他にも自転車に乗っていて「電柱にぶつからないようにしよう」と思っていたら逆に電柱に近づいていってしまった、「緊張しないようにしよう」と思ったら余計緊張した、など経験したことはありませんか?
これらはすべて逆説的思考侵入効果によるものです。
要はやらないように、やらないようにと思っていたら脳と体は無意識にそれをする方向で動いていってしまうということですね
言葉の難しさのわりに意外と身近な心理効果です。
改めて、やってはいけないベンチからの声かけとは

話を野球に戻します。
先ほどの説明を言い換えると、セルフ2(脳の無意識の部分)は想像と現実を区別できないので、思い浮かんでしまった時点で体の動きはそれをする方向で動きます。
では、ベンチから「三振だけはアカンぞ!」「三振気を付けて!」と言ってしまうと何が起こるでしょうか?
脳は三振するイメージ、体は三振する動きをしていきます。
結果、三振する確率はべらぼうに高くなります。
「~するな」を使ってはいけない理由を理解いただけたでしょうか?しゃべる言葉の影響力は大きく、シロクマの例もしゃべる中でやったらほぼ100%はまります。
良くも悪くも相手に届いてしまうのです。
理解いただいたらこのような言葉を使うのはやめにしましょう。
セルフ1、セルフ2について詳しくはこちらをご覧ください。
正しいベンチからの声かけ

では、そんな言葉の代わりにおすすめしたいのが、最初に挙げたやりたいことを明確にする声です。
これは想像と現実を区別できないセルフ2をいい方に利用するやり方です。
ここまで言葉によってプレーが影響を受ける、と取れるような書き方になっているかもしれませんが、厳密には言葉によって起こるイメージがセルフ2にはたらきかけ、プレーに影響が出ています。
なので、かける声としては、「結果ではなくやりたい行動をイメージさせる」ものがいいです。
結果をイメージさせると、それがいい結果であってもセルフ1(意識の脳)が活発になって体が動きにくくなります。
具体的には、
× 「厳しいコースに投げろ!」
〇 「ミットだけ見て投げろ」(結局厳しいところを狙う)
違い、分かりますか?
どちらも期待するプレーは「厳しいところへ投げる」ことです。
・上は「厳しいコースへ投げる」という結果を意識させます。
・下は「ミットだけ見て投げる」という行動を意識させます。
「結果」はやってみないとわからないもの、「行動」はとりあえず意識すれば絶対にできることという感じです。
この場合、「ミットだけ~」の方がセルフ2が活発になって本来のパフォーマンスを出しやすくなります。仲間にかけるならこっちの方がいいですよね?
その選手が好調のときどんな行動を意識しているのかを知っておいたらやりやすいです。
その際、感覚的な言葉(シュパッと投げる、どっしり構えるなど)が多いかもしれませんがむしろそのほうがGoodです。
それは本当にその人が行動をイメージしやすい言葉にしたものなので。
ベンチからの声かけだけでなく自分にも応用しよう!

すでに考えていた人もいるかもですが、ここまでの考え方は自分のプレーにも応用できます。
というか、ぜひしてほしいです。
まず、「~しないように」、この思考はやめましょう。理由はもう大丈夫ですよね?
注意すべきは「~しないように」を考えないように・・・と考えると同じ原理で「~しないように」だらけになること。
なので、そんな思考が出てきそうになったら行動に集中するように練習してみてください。
三振がチラついたらいつものルーティーン動作をやってみる、いいときに意識していたポイントだけ思い出す、などですね。
言うのは簡単ですが、僕も3ボールになったら「フォアボールはダメだ!」と考えてよくフォアボール出してました( ´∀` ) 練習しましょう。
これは知ってると知らないのとでは大きな差になります。僕はもっと早く知っておきたかったと心から思います。
ぜひ次の練習、試合から試してみてください。
最後に
声かけの重要性、いい声かけ、悪い声かけについて理解いただけたら幸いです。
ベンチからの声の影響は決して軽いものではありません。
仲間が最高のプレーをできるように、自分も言葉の影響に振り回されないように、今回の内容を生かしていただけたらと思います。
ありがとうございました!
コメント
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