
初動負荷トレーニングって最近聞くけど、どんなものなの?
効果はもちろん、逆に難点があるなら知っておきたいなあ…
こんにちは! たまいひかる(@siawasebaseball)ですっ!
初動負荷トレーニング知ってますか?
イチロー選手や山本昌選手が続けて取り組まれているのが有名で、最近ではプロ野球のなかでも広まってきたので、僕らも見聞きする機会が増えてきたとように思います。
最近ではメジャー入りが決まった元巨人の山口選手なんかが有名かと。
そんな初動負荷トレーニングは、聞いたことはある、興味はあるけど、やったことはないという人がまだまだ多いと思うので、今回はその効果、難点について書いていきます。
この記事でより深く初動負荷トレーニングについて知ってもらい、良いと思ったらぜひ体験していただきたいと思っています。
まあ僕の結論としては圧倒的におすすめなのですが。
初動負荷トレーニングとは

まず、初動負荷トレーニングとはどんなものなのか、というところから行きます。
初動負荷トレーニングは鳥取県にある株式会社ワールドウイングエンタープライズが総本山です。
こちらの代表である小山裕史(こやまやすし)教授が初動負荷理論および初動負荷トレーニングを作り出しました。
こちらも話題の高機能シューズ、ビモロシューズはこの理論に基づき、ワールドウイングで開発されたものです。
初動負荷理論、トレーニングについての詳細はこちら(公式サイトです)
初動負荷トレーニングの効果

野球選手として気になる効果をピックアップすると。
力みなく、自然でしなやかな動きに
僕がトレーニングの効果を簡単に一言で表すなら、力みをなくし、反射で自然に生まれる力を使って動けるようになると表現するでしょうか。
先ほどのリンクには理解に欠かせない大切な要素がたくさん詰まっているので是非読んでほしいのですが、簡単にするなら僕はこう表現します。
初動負荷トレーニングは一般的なウエイトトレーニングとは対極に位置するトレーニングです。
一般的なウエイトトレーニングはずっと負荷がかかり続けます。バーベルを背負っていたらずっと重いですよね。
よって、ずっと力が入り続けています。力が抜けるタイミングがありません。
力が抜けないと、脳から神経を伝わる信号が、その力んでいる部分で止まってしまうので、しなやかな動きは失われます。
さらに、負荷が重くなるほど、意識的に負荷に抵抗している感覚があるのではないでしょうか。
一般的なウエイトトレーニングはこのように、わざわざ力んでしなやかさを失うような動き方を体に覚えさせているようなものです。
対して、初動負荷トレーニングは弛緩⇒伸張⇒短縮のリズムの中でおこないます。
カムマシン(ワールドウイングに置いてあるもの)を使えばたいてい自然にできるようになっています。
負荷を感じるのは一瞬ですが、その負荷も、自分で抵抗する感覚はなく、「弛緩」している筋肉がマシンによって「伸張」され、それが反射で「短縮」する力を使ってマシンに動かされるイメージです。
このように無意識の反射での動きが人間本来の効率のいい動きであり、それを体に覚えさせられます。
また、体の中心、特に肩甲骨、骨盤周りで生まれた力を効率よく末端に伝えられるようになるので、より少ない力感でより大きなパワーが出せるようになります。
疲労軽減&ケガ予防
初動負荷トレーニングには血流促進効果があります。
同時に、血中酸素濃度を高める効果もあります。
普通、筋肉は動かすと血中の酸素を消費し、やがて疲労を感じるようになりますが、初動負荷トレーニングでは逆に、体に酸素をどんどん取り込めます。
取り込んだ酸素を血流促進によって全身の筋肉に回していくことが出来るので、体を回復する方向に、トレーニングすればするほど動きやすくなるという体感があります。
実際、試合や練習後にトレーニングした日としない日では疲労の残り方、体の固まり具合が全然違います。
普段のトレーニングとしてだけでなく、アップ、ダウンとしても効果的と言えます。
初動負荷トレーニングの効果に対しての難点

難点と書きましたが、僕は初動負荷トレーニングをやることに関してデメリットは一つもないと思っています。
やって損は絶対にないです。圧倒的おすすめ。
なので、強いて言うなら気になる人がいるかもという意味で難点として紹介します。
筋肥大は期待できない
初動負荷トレーニングでは筋肥大は期待できないです。
なので、なにがなんでも体を大きくしたいという人には必要ないかも。
とはいえ、野球選手にそんな人はなかなかいないと思います。
いい動き方が身につけば、実際の野球の動きを繰り返すことによって必要なところに必要なだけのサイズはついてきます。
トレーニング自体には、筋肥大効果はあまりないということです。
やってる感はない
初動負荷トレーニングは、重りの重さは基本的に軽く、従来のウエイトトレーニングに慣れてしまっている人には鍛えている感が感じられず物足りないかもしれません。
ただ、効果のところに書いたように、その鍛えている感は単に力む練習をしているだけかも。
本当に野球がうまくなるという意味でのトレーニング、としてはその鍛えている感は幻想かもしれません。
基本はマシンありき
初動負荷トレーニングは基本的にワールドウイングの提携施設にてカムマシンを用いて行うのが今はベストです。
この提携施設がまだない都道府県があり、やりたくてもなかなかできないということはあり得ます。
フリーウエイト(バーベルやダンベル)でもできないことはないし、小山教授の著書にもフリーウエイトでのやり方が載っていますが、正直僕はかなり難しいと思います。
実際にマシンを使って正解の動きを知らないとフリーウエイトでもうまくできているのか全く分かりません。
できるなら、提携施設にて体験してみてほしいです。(提携施設一覧)
また、お金は一般的な他のジムに比べると若干高めかもしれませんが、これについては自分の気持ち次第です。
他のジムでは絶対に得られないものを得られますし、あとはその価値を自分でどう評価するか。
いいと思っているのにお金を理由に諦めるのは、心の底ではそこまでしてうまくなりたいとは思っていないということです。
感じるものがあるならどうにかしてそのハードルはクリアできるように、思考も行動もできると思いますよ。
初動負荷トレーニング体感記【効果以上のものを実感】

効果と難点を見てもらったので、あとは実際の生の声、かなと思い、最後に僕がここまでトレーニングを続けてきての感想を少し。
最初に初動負荷トレーニングのことを知ったのは高校の時。
お世話になっていた整体の先生が初動負荷トレーニングのことを知っていて、話を聞いたのが始まりでした。
本も置いていたので読んだのですが、そのとき効果として「パワー」と「柔軟性」が一緒に書いてあったのが印象的で、一気に興味を持ちました。
当時はまだ一般的なウエイトトレーニングしか知らず、ウエイトをやった後には「しっかりストレッチをしておくように」との指導がなされていたため、パワーと柔軟性はトレードオフ(どちらかを得ようとするならどちらかは犠牲になる)のように感じていたのです。
当時はパワーの意味も理解できていなかったので。
高校の時は近くに提携施設がなかったので体験することはできず。本を購入してフリーウエイトでのトレーニングを試みましたが、前述のとおり正しいのかどうかよくわからないままでした。
なので、大学では絶対に体験したいと思い、大学1回生の夏に鳥取本部の合宿に参加します。
まず、施設に入って思ったのは「お年寄りが多い」こと。鳥取では入るとすぐに一般会員スペースがあり、そこを通って合宿者スペースに向かうのですが、一般スペースの半分くらいがご年配の方々。
自分と同じくらいか、若い人たちが中心なのがジムのイメージだったので、これには驚きました。しかも同じマシン、同じ種目に取り組んでいます。
その後、障害のリハビリの合宿の方とも一緒にトレーニングしてさらに驚かされるのですが。
さて、自分がやってみた感想としては、とにかく体が軽い!柔らかくなる!トレーニングするほどに動きたくなる!動ける!動けるぞぉーー! そんな感じでした。これはたぶんやれば全員が感じることが出来ます。
ウエイトしか知らなかった僕にとっては衝撃の連続でニヤニヤが止まりませんでした。( *´艸`)
合宿では野球の技術指導もセットになっており、初動負荷理論に基づく投球フォームも勉強。
力感なく投げられるのがいいフォームなんだと。それを実現するためのこのトレーニングなんだと。
トレーニングと実際の野球が初めてバチっと自分の中でつながりました。
合宿では毎日200球くらい投げるも、嫌な疲れは全くなく。
むしろもっと投げたい。
前より力は入れていない、力感はないのに前よりはるかにいい球が行く。
俺はもっとうまくなれるんじゃないか、もっとうまくなりたい。そう思いました。
めちゃめちゃ楽しかったです。
合宿後の秋、提携施設が近くにできたのでそれからはずっと通って今4年目になります。
合宿にもその後何度も参加し、お世話になりました。
僕の大学での飛躍はワールドウイングでの指導、初動負荷トレーニング抜きでは説明できません。本当に。
一応前後の結果を示しておきます。
高校通算登板1 1/3回 ほぼスタンド
大学1春 ちょっとだけ投げる
(合宿参加)
1秋 2勝 防御率 確か1.60くらい
(提携施設通い始め)
2春 3勝 1.32
2秋 4勝 リーグ優勝(+関西選手権で1勝)
1.21
最優秀投手+関西選手権敢闘賞
3春、秋 ケガで登板0
4春 1勝 多分1点台
4秋 リーグ優勝 4勝 数えてない
規定のらなかったけど数字は最多勝
通算15勝、防御率ギリ1点台かな…
みたいな感じです。
最初の合宿に話を戻しますが、僕と一緒のタイミングで障害を持っていて補助具なしでは歩けない状態の5,6歳の子どもが3人ほど合宿に来ていました。
一緒のスペースで、一緒のマシンを使ってトレーニングを行ったのですが、1日トレーニングした後、その子どもたちがなんと補助具なしで歩けるようになっていたのです!
これには驚きを通りこして感動。
その子のお母さんは涙していました。
このトレーニングは人間をいいバランスで発達させる、途切れていた神経の働きをつなげる、同時に、一瞬でその人の人生に光を与える力がある、そんな風に感じました。
これからも続けていきたいと思います。こんな体験をあなたにも味わってほしいと思っています。
以上です。
僕は初動負荷トレーニングは本当にいいものだと思っていて、本気でおすすめしたいと思っています。
あなたも感じるところがあったならぜひ体験してみてほしいです。
ひとつ、注意してほしいのは、僕はコーチ研修を受けていない人間だということ。わかったように書いてきましたが、解釈が間違っている可能性は十分にあります。
さっきのリンクはわからなくても必ず読んでほしいし、本も読んでほしいです。
体験談ベースで読みやすいのは『希望のトレーニング』↓
多くの人におすすめできる入門書『奇跡のトレーニング』
トレーニングの理論だけでなく、実際のスポーツの動きについても書いてあります。↓
歩くこと、シューズに関することなら『小山裕史のウォーキング革命』↓
野球に特化した話なら『初動負荷理論による野球トレーニング革命』
難しいですがフリーウエイト(ダンベル、バーベル)形式のトレーニングについても載っています↓
あくまで参考、予備知識として今回の記事をとらえていただき、施設のコーチから詳細を聞いて自分の理解につなげてほしいと思います。
あなたの視野が広がったら幸いです。
今回はこれで。ありがとうございました!
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