
配球をどうしたらいいかわからない!
感覚でいつもやってしまう…。
そんな悩みを解決します。
配球って難しいですよね。
巷にあふれている配球論も「対角に攻めましょう。アウトロー&インハイで」みたいな、できたら苦労しない系のものばかり。
結局感覚でやってしまうことも少なくないですね。
しかし、それで打たれて負けてしまったら後悔してもしきれません。
そんな中でも使える配球論を自分の引き出しにストックしていく作業は必須です。
そこで今回は、もっとシンプルかつ効果的な「打者単位」の配球セオリーを紹介します。
この記事の内容を実践することで、根拠のある配球ができるようになり、なぜ打たれたか、抑えたかの分析もできるようになるので、参考にしてみてください。
・打者単位の配球セオリー
・セオリーの具体的な使い方
・ピッチャー、キャッチャーそれぞれのポイント
筆者が実際にこのセオリーを意識し、大学Ⅰ部優勝2回&15勝を経験
シンプル&効果的!打者単位の配球セオリー

では、さっそくこの記事のキモとなる配球セオリーを紹介していきます。
今回のセオリーは、打者の本能を逆手にとって、どうやって球種やコースを散らしていけばいいか説明したものです。
痛打されることが少なくなる、ヒットを打たせない配球です。
・①同じ球種なら違うコースorより厳しく
・②同じコースなら違う球種
①同じ球種なら違うコースorより厳しく
まず、今回利用する打者の本能について説明します。
それは、
打者は「前の球より甘い」と思ったら振ってくる。
というものです。
同じ球種で、前の球より甘くなれば打者は85%くらいの確率で振ってきます。
その1球だけ見たらいい球でも、痛打されているときは前の球より甘くなっている場合が結構あります。
ぜひ1度、気にしながら見てみてください。
この心理状態で振られるとヒットにもなりやすいので、「前の球より甘くなる」ことを避けるのが今回のセオリーです。
こうすることで打者をどんどん追い込んでいけるのです。

一つ目は、「同じ球種なら違うコースorより厳しく」投げる。
図を見ていただければ、わかりやすいと思いますが、文字のとおりです。
1球目に対して、同じ球種を続けるなら、より厳しく投げることで振りにくく、振ってきても痛打されにくくなります。
もし1球目がぎりぎりのコースで、でも同じ球種でストライクを投げたい場合は、逆のコースに投げることで同じ効果を得られます。
①同じコースなら違う球種

二つ目は「同じコースなら違う球種」を投げる。
同じく文字のとおりです。
同じコースで続けてストライクを取りたい場合、前述の「同じ球種をより厳しく投げる」方法に加え、違う球種を投げることでも対応可能です。
また、これは見逃しのストライクを取ることはもちろん可能ですが、最初に書いた打者の本能を利用して、変化球で空振りが計算できる使い方もできるので後述します。
二つをまとめた例はこんな感じ。
球種が増えれば選択肢も増えますし、投げられないコースがあれば減っていきます。

この配球セオリーの具体的な使い方

このセオリーを使っていけば、配球で大ケガすることが少なくなります。
しかし、じゃあ明日からやりましょうとなっても、使うのが難しいと思うので、ここからは以上の配球セオリーをより有効にする、具体的な使い方を紹介します。
・初球はできるだけ甘いところでストライクを取る
・計算して変化球の空振りを誘う
・試合単位での配球も考える
初球はできるだけ甘いところでストライクを取る
このセオリーは前の球より甘くならないように気を付けるものです。
ということは、初球はできるだけ甘いところでストライクを取れば、次の球の選択肢は大きく増えますよね。
球種、コースともに選び放題です。
最初から厳しいコースに投げてしまうと、次以降の球が甘いところにいってしまった時、打たれる確率が高くなります。
勇気をもって、ど真ん中でファール取れたりしたら最高。
その後がグンと楽になります。
配球で計算して変化球の空振りを誘う
セオリーを利用してボールになる変化球の空振りを誘う使い方もできます
打者は「前の球より甘い」と思ったら振ってくるので、例えば、外のまっすぐボール→ストライクからボールになるスライダー、などで空振りを誘えます。

図の通りですが、「思わず手が出てしまう」と言うのがミソ。
打者は「前の球より甘い!」の誘惑に抗えないのです。
この時の変化球はまっすぐに近い軌道なほど効果的です。
膨らみすぎるとうまくいかない場合があります。
まっすぐに近いスライダーを投げる方法はこちらの記事を参考にしてください。
他にも、厳しい内のまっすぐ→甘めのところからツーシームを打たせる、など早いカウントで打たせる際にも使えます。
応用気味ですが効果的なのでぜひ。
試合単位での配球も考える
このセオリーは打者単位で考えると非常に有効ですが、試合単位で考えると使いどころを考えたほうがいい場面があります。
有効な攻め方でも3打席、4打席続けていたら、さすがに対応されます。
終盤の勝負所で、打者のニガテ、セオリーを組み合わせてベストな打ち取り方をするために、前半ではセオリーに沿わない、など試合単位での配球を考えることが重要。
切り札は勝負所で切るのです。
最終目標は目の前の打者を抑えることではなく、試合に勝つことですよね?
試合単位の配球についてはこちらの記事を。
特にキャッチャーの人には読んでほしい内容です。
この配球セオリーを使えるようになるための努力

最後に、この配球セオリーを使うにはどんな技術が必要なのか。ピッチャーとキャッチャーに分けて提案。
この配球セオリーが有効なものだとします。
そうなると、それを使える選手になることが、「いい選手」になるということ。
努力の方向性も決めやすくなると思うので。
ピッチャーは、両コース投げられるように
ピッチャーは内と外、両方のコースに投げられるように練習してください。
片方の精度がいいピッチャーは結構いますが、両方投げられないと、このセオリーでは選択肢が大幅に狭くなります。
難しい課題に思えるかもですが、「アウトローとインハイにひたすら投げ続けるんだ!」よりは全然ハードル低いですよね?
頑張りましょう!
キャッチャーは、真ん中に構える「勇気」と「根拠」
キャッチャーは真ん中に構える「勇気」と「根拠」を持つことをオススメします。
このセオリーでは、いかに甘いところを使えるかが、楽に配球する割と大切なポイント。
打たれてもいい場面、力が落ちる打者には大胆にど真ん中に構え、失点が許されない場面では厳しいコースで盤石の打ち取り方を目指しましょう。
厳しいコースばかりの要求ではピッチャーも精神的なスタミナが勝負所まで持ちません。
うまくピッチャーとゲームをコントロールしていきましょう。
【打者単位の配球セオリー】 まとめ

打者単位の配球はとても重要です。
試合単位の配球と合わせて、有効に活用してみてください。
根拠を持って配球していれば、なぜ打たれたか(前の球より甘かったなぁ、など)、なぜ抑えたかがわかるので、より着実にレベルアップしていけます。
ピッチャー、キャッチャーともに、セオリーを使える技術と思考を身につけて、感覚的な配球から卒業しましょう!
今回はこれにて。ありがとうございましたっ!
コメント
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[…] 打者単位の配球について、詳しくは、「感覚に頼らない!打者単位の配球セオリー!>>」を見てほしいのですが、 […]
[…] この現象について、詳しくは打者単位の配球の記事を。 […]