
三塁線のバント処理がニガテ…。(左ピッチャー)
送球のときにバランスが崩れて、よく暴投になる…。
こんな悩みを解消します。
先日、指導していた高校生から、上のような悩みを相談されました。
左ピッチャーの三塁線バント処理は本当に難しいですよね。
いいバントをされると、どんなにフィールディングがうまい人でもギリギリのタイミングになります。
そんな、アウトにするのが難しいところのため、三塁線のバントを狙ってくるチーム、場面は多数あります。
左ピッチャーとしては(右Pも)、この三塁線バントの処理に自信があるかどうかで、試合中のストレスが大きく変わってきます。
「足速いし、バントされたらいやだな…」と思いながら投げていては、精神的に疲れますし、打者との勝負に集中できません。
なので、今のうちにしっかり練習しておきましょう。
今回は、上の悩みに答える形で、左ピッチャーの三塁線バント処理→ファースト送球の流れを解説。
送球のときのバランスの崩れは、その前の捕球体勢や、踏み出しに問題があるかもなので、注目です。
この記事を参考にして、左ピッチャーフィールディングの鬼門である、三塁線の不安をなくしましょう!
・左ピッチャーの三塁線フィールディング(捕球まで)
・左ピッチャーの三塁線フィールディング(送球まで)
自身が三塁線のバント処理ニガテを克服。
大学の公式戦で決められたセーフティは、確かゼロ(だったと思う)
【野球】左Pの三塁線フィールディング(捕球まで)

ここからは三塁線バント処理を、「捕球まで」と「捕球から送球」にわけてポイントを解説します。
左ピッチャーの三塁線バント処理が、難しい理由としては、
・単純にファーストまでの距離が遠い
→「早く投げないと!」と焦る
・送球のとき、一回転するため、ファーストが一度、完全にブラインド(死角)になる
→送球の狙いが定まらない。ベースの位置がわからない。
が、主なところではないでしょうか。
これらの難点を克服するのが、三塁線フィールディングの練習の方向性になります。
まず、打球が転がってから捕球までで大切なのが、
・最速で打球に到達
・小刻みな足の運びで、ボールと衝突しない
・正面に入る捕球姿勢
です。
以下で詳しく解説します。
最速で打球に到達
まず重要なのが、最速で打球に到達することです。
これができれば、難しいポイントだった、「ファーストが遠いせいで焦る」ことを防げます。
これを実現するうえで大切なのが、できるだけ大股で打球に向かうこと。
バントの打球までの距離はせいぜい15mくらいなので、大股で走った方が速いです。
距離が近いと、自然と小股になりがちなので、意識して、少ない歩数で打球に到達できるようにしてみてください。
小刻みな足の運びで、ボールと衝突しない
打球に近づいたら、「パタパタ」と、小刻みな足の運びで減速します。

「大股が速いなら、そのまま大股で捕球まで行けばいいじゃん」
と思われるかもしれませんが、実は、それでは効率が悪いです。
理由は、「送球を早く正確に行うのが目的」だから。
捕球してから送球体勢に入るには、ファーストに投げるための「方向変換」が必要です。
この方向変換をするとき、移動のエネルギーはフラットに近い状態が理想です。
前にダッシュして、急に後ろに走るのよりも、ただ立っているところから後ろに走り出す方がスムーズですよね?
確かに、単純スピードが速いのは大股。
しかし、送球体勢に入るための方向変換を、楽に、正確におこなうために、「パタパタ」での減速は必須。
送球完了までのスピードと正確さを出すには、これがベストです。
そう考えたら、すべて大股は微妙ですよね。
捕ったときに足もとが「ズザー!」となるときは減速が足りていない証拠。
「ボールと衝突」のイメージはこれ。
グラウンド状況によってはケガにもつながります。
正面に入る捕球体勢
捕球のときは、打球の正面に入ります。
「体の正面が打球がくる方向に向いていない状態」で捕ったりはしません。
正面に入るのが、結果、送球体勢にもっとも入りやすいですし、イレギュラーにも対応可能。
後で出てくる、捕球してからの「足を入れ替えて回転」のところにもつながります。
正面に入るまでの軌道としては、少し回り込むのがいいです。

まっすぐ、打球の横から入ってしまうと、方向変換が難しいです。
打球の勢いを見誤れば、正面に入れないケースも出てきます。
確実に処理するためには、回りこむクセをつけるのがいいです。
【野球】左Pの三塁線フィールディング(捕球から送球)

送球に入りやすい体勢で捕球できたら、いよいよ送球です。
左ピッチャーにとって、送球の際にファーストが一度、死角になってしまうのは先に書いた通り。
そのへんの難しさをケアしていきながら、送球につなげていきます。
・足を入れ替えて回転
・ファーストを「見て」送球
足を入れ替えて回転
正面で捕球したら、右足があるところに左足を持ってきて、右足をファーストに踏み出します。
文字だと分かりにくいので、図で説明します。

こんな感じですね。
先ほどの、「正面での捕球」と、この「足の入れ替え」はセットでクセづけるべきです。
難しいポイントだった「ベースの位置がわからない」もこれで解決できます。
「正面で捕球」して、「足を入れ替えて送球」することによって、だいたいファーストの方に踏み出せるようになるので。
細かくは練習で調整してほしいですが、大きく外れることはなくなります。
そもそも、「ベースの位置がわからない」はどういう状態か。
それは、どこに踏み出していいかわからない状態です。
勘で回転してファーストの方向に踏み出せるか不安なのです。
そこで、捕る時の足の向き方を決めて、それを基準に踏み出しを決めたらどうでしょう。
捕る形さえ崩れなければ、あとは毎回同じ方向に踏み出せます。
この基準を「正面で捕球」と、「足の入れ替え」にしているのです。
ファーストを「見て」送球
送球体勢ができたら、あとは投げるだけです。
ここでポイントになるのは、ファーストを「見る」時間を作ること。
多くの送球ミスは、この「見る」が抜けることで起きます。
特に焦って、「早く投げないと!」となったときは、「捕る」→「投げる」のリズムになりがち。
そうではなく、「捕る」→「見る」→「投げる」
「見る」が抜ければ、目かくしをして投げるようなものです。
「見る」ことで、多少踏み出す方向がズレても、投げる方向は修正が効きます。
左ピッチャーの三塁線は特に、一度ファーストが見えなくなるので、意識しましょう。
バント処理の「見る」については、下記の記事で、さらに詳しく書いています。
【野球】左Pの三塁線フィールディング まとめ

以上が、左ピッチャーの三塁線フィールディング、全行程です。
書いてきてアレなのですが、正直、アウトになれば形なんてどうでもいいです。
形にこだわりすぎて、本来の目的を見失うのだけ、気をつけてください。
あくまで、うまくやるためのヒントです。
最速で、正確にアウトになればそれでOK。
その一助として今回の記事を活用していただけたら幸せです。
今回はこれにて。ありがとうございましたっ!
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