セイバーメトリクス指標解説 How to use [攻撃編!]

データ

セイバーメトリクスの指標って英語ばっかでよくわからない!

今どんどん広まってきてて使いたいんだけど周りに知っている人もいないし、実際にどうやって使うのかまで知りたいな。

こんな疑問にお答えします。

セイバーメトリクス、今回は指標の解説です。

前回の入門記事ではセイバーメトリクスがどんなものか、どんな使い方ができるかを解説しました。

今回はそこよりもう少し深く、実際の指標を解説してもっと具体的な使い方を考えていきます。

周りに知っている人がいなかったり、指標の意味は知っていても実際の野球に生かせていないこともあると思うので、そんなあなたの助けになれば。

とりあえず、攻撃編だけまとめます。

セイバーメトリクス指標解説[攻撃編!]

OPS(On base plus slugging)

まず定番なのがOPS(出塁率+長打率)。

長打率は1打数あたりの塁打数であることに注意してください。

2塁打、凡退、凡退だと長打率は0.66…です。(塁打数2÷打席数3)

OPSの高さは得点への貢献度と比例すると言われています。

OPSが高ければより得点に絡める、良い打者であるということが言えます。

1.000を超えると一流クラスと言われており、プロでは2018年シーズン、ホークス柳田選手が1.092、カープ丸選手が1.096でそれぞれリーグトップでした。

出塁率の評価が高め

ではOPSの実際の生かし方です。

自分への応用

OPSを算出するうえで出塁率のウエイトがかなり高くなっています。

つまり、OPSをもとにいい打者を目指すなら、出塁率を上げることを考えるのは近道であると言えると思います。

首位打者など、注目されがちなのは打率ですが、得点への貢献度を考えると出塁率も負けずに重要です。

自分に応用する場合は努力の方向性を決めるために使うのがいいと思うので、出塁率を上げる、ヒットを狙うだけでなく苦しくなったら四球も狙いに行けるように練習していくと、いい練習ができるかと。

もちろん塁打数を増やす方向もOKです。

相手の分析への応用

相手の分析に使うときは、主観を除いた客観的な見方ができることがセイバーメトリクスのいいところです。

相手のOPSを出していくと、打順が上でも意外と低い値だったり、下位でも高いなんてことがあります。そんなときに何となくの感覚ではなく、警戒すべきところを警戒できるようになるのです。

OPSが高いと漠然といい打者な印象になりますが、イメージに反してOPSが高い場合はフォアボールをとるのがうまい可能性があります。

打っていないように見えてもその打者は得点に貢献していると言えるので、対策を打った方がいいですね。

IsoP(Isolated Power)

長打を打つ確率として最も優れているのがIsoP(長打率-打率)です。

先ほどでた「長打率」では本当に長打を打つ打者なのかわかりきらない(打率が高ければシングルばかりでも長打率は高くなる)ため、長打力を測るためにはIsoPを見たほうが有効です。

真の長打力

自分への応用

2019年シーズンではスワローズ山田選手が0.288、ライオンズ山川選手が0.284でそれぞれリーグトップ。

そのあたりまで行けばかなりの長打キャラでしょう。

伸ばす方法はとにかく長打を増やしていくしかないので、とにかく飛ばして飛ばして飛ばす練習ですね。

相手の分析への応用

相手のIsoPを見ると、あんまり打ってないけど長打キャラな選手が見えてきます。

これがわかると、イメージに縛られずに守備位置設定ができますし、後ろの打順によっては長打ケアの場面で(二死一塁など)より警戒し、無理な勝負を避けられます。

絶対狙ってくるので。

BB/K(Base on Balls per Strikeout)

BB/K(四球数÷三振数)は三振1個に対して四球をいくつとったのかという指標です。選球眼が良く四球をとうまいと高くなります。

OPSでもあった通り、セイバーメトリクスは攻撃面で四球、出塁の価値を高く評価します。

ピッチャーにとって嫌な打者に

自分への応用

プロでは2019年シーズン、カープ鈴木選手が1.27、ファイターズ近藤選手が1.27でそれぞれリーグトップです。

プロを見るとガッツリ打つ選手がBB/K上位に入ってきています。

よって、ある程度のレベルならちょこちょこ当てる系ではなく、しっかり振れてピッチャーに圧をかけ、なおかつボールは振らない三振はしないという打者を目指すのが良さそうです。

カットの練習などではなく、まずは強く圧力をかけられるスイングを身につけることが、長期的にBB/K基準のいい選手を目指すのにはいい努力なのではないかと僕は思います。

また、BB/Kはチーム単位でもOPSに劣らず勝利、得点への相関が高いことが『機動破壊の解析力』に書かれています。

2012年センバツ出場時の健大高崎はOPSは出場校中15位だったがBB/Kは3位に入り、結果ベスト4まで勝ちあがった。(ちなみに1位はどちらも大阪桐蔭( ;∀;))

・相手の分析への応用

BB/Kが高い相手は三振が少なく、四球が取れるのでとにかくこちらはストライクゾーンで勝負。

BB/Kの勝ちへの相関を考えても四球を出すのがやはり1番ダメ。でもゾーンで勝負して打たれたらどうしようもないですね。

守る側からすると、ゾーンで勝負できる力を身につけておく(ボールになる球を振ってもらえなくても他に引き出しがある)か、BB/Kが高くても打率が低い四球だけのやつに早く前に打ってもらうくらいの使い方しか思いつきません。

結構嫌ですね。BB/K高いの。

【セイバーメトリクス指標解説 攻撃編】 まとめ

セイバーメトリクス指標解説~攻撃編~はとりあえず以上です。

割と算出しやすい指標を集めました。中にはどえらい複雑なのがあったので、使いやすさ重視で書いてます。

またよさげなのがあればリライトしていきます。

分かっても、使うのが1番大事なので、ぜひ実際のプレーに生かしてみてください。

最後に参考書籍を。めっちゃ参考にしてます。

高校野球での実際にセイバーメトリクスの活用例が具体的に載っていて、一般的な理論本よりはるかに身になった感じがしました。アマチュアでも応用できるんだなと強く感じた一冊です。

現代野球の戦い方、チーム作りへ脱皮するために。

全体的には偵察とデータ分析の本です。おすすめ。

今回はこれにて。ありがとうございましたっ!

コメント

  1. […] セイバーメトリクス入門~現代野球必須ツールの基礎~「最近セイバーメトリクスって何かと話題だけどどんなものなの?」、「どうやって自分のプレーやチームに生かせばいいの?」この記事ではセイバーメトリクスがどんなものなのか、具体的な活用例を解説します。セイバーメトリクス入門したい方、ぜひどうぞ。siawasebaseball.com2019.12.17 セイバーメトリクス指標解説 How to use [攻撃編!]「セイバーメトリクスの… […]

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